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世界最大の食品展示会「ANUGA2023」レポート ➀

  • 田中良介

10月7日から11日まで、ドイツのケルンメッセにて世界最大の食品見本市「Anuga2023」が開催された。世界200カ国から約14万人の業界関係者が訪れ、118カ国から約7,900社が出展。ドイツ以外からの出展者が全体の94%、来場者が80%に上るなど、非常に国際色豊かな展示会だ。最新のトレンドを直接見て試食することにより、世界の食品産業の未来を予測する貴重な機会となっている。ここで見られたトレンドは、いずれ日本にも波及する。

当社Innova Market Insights(オランダ・アーネムに本社を置く)は、長年にわたりAnugaの公式ノリッジパートナーとして、本展示会をサポートしている。筆者も日本からの専門家として参加し、Anugaトレンドゾーンでさまざまな国の視察団にトレンド解説を行った。さらに、会場内を詳しく見て回り、最新のグローバル動向を収集した。

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持続可能な成長と試行錯誤

今回のAnugaの主なテーマは「持続可能な成長」。世界的な気候変動などが影響して、消費者の意識はかつてないほどに高まっている。会場を見渡すと、出展企業のほとんどが、サステナビリティやエシカルを掲げる。カーボンフットプリントや食品ロスの削減、再生可能な農業、アニマルウェルフェアに至るまで、幅広い取り組みが見受けられた。もちろん、これだけ複雑に入り組んだ現代社会において、持続可能な社会を築いていくのは、一筋縄ではいかない。このテーマに挑戦する企業の答えは一つではなく、それぞれが試行錯誤を続けている様子がうかがえた。

オーストリアのKern Tech社は、これまで廃棄されてきたアプリコットの種をアップサイクルし、植物性のヨーグルトを作っている。同社によると、プラムやチェリーの種も同じようにアップサイクルが可能で、栄養価にも富んでいるとのことだ。

アプリコットの種をアップサイクルしたヨーグルトは、他の代用乳よりもCO2排出と水の使用量を減らせる

持続可能性は、地球環境のみならず、インフレが続く世界において、日々の生活や社会の維持にも深く関わるテーマ。ドイツのNosh Biofoods社は、フードテックの視点からこれに取り組む。彼らはバイオマス発酵を通じて、マイコプロテインを生産するスタートアップだ。独自の発酵プラットフォームを開発し、「手ごろな価格」で原料を提供する。同社の目標は、アニマルフリー製品のメーカーが、味、食感、価格といった課題を同時に克服し、より広範な市場に参入できるよう支援することである。

情報提供

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Innova Market Insightsの日本カントリーマネージャー。世界の食品トレンドを読み解き、日本への知見/視点を伝え、企業の商品開発やマーケティング活動を支援している。自身もかつては食品企業で、苦労しながら商品開発と販売をしていた経験あり。日本と世界をつなぐ懸け橋となり、クライアント企業と一丸となって食産業の発展に貢献することがミッション。