未来の食卓運営事務局

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アプリで24時間閉店前割引き

  • チャーリー下城

アメリカのスーパーでは閉店前の生鮮食品の値引きセールはほとんどしない、というお話しをさせて頂きます。

昨今の環境問題に関係して、我々の生活に密接に関係があるのが食品ロス、それを含めて大きく言うとSDG’sとも言えます。

このコロナ禍の間買い物のしかたに制限が加わり、小売業の側でも色々な変化を強いられた姿を目にしましたが、アプリを使った割引き販売システムを採用する等スーパーマーケット(SM)内でのロス削減以外にも、食品ロスを無くす方法が沢山ありそうです。

大きなフードロスが生産現場や農場で天候その他諸々の理由で起き、輸送までの段階で起きているのですが、それはまた別の事として解決しなければいけません。

ごくわずかですが、アメリカのスーパーの店内で値引きをして売る、日本のスーパーと同じ方法もあるので後で述べますが、それも日本とは少し違います。 

近年見る様になったのが、その「アプリを使って」、店内の商品を割引きして売るという食品の値引きはまだ始まって数年なのですが、今日お話ししたかったのはカナダから始まった「フラッシュフード」というシステムで、これが広まってきています。

店としては、今売ってしまいたい食品があれば、アプリを介して「24時間、閉店前の値引き」をしている事に近いのです。

特にコロナ禍では多くの家庭で自宅で調理しての食事にシフトし、食品店やスーパー各社は軒並み2桁の売上げの伸びとなり、特に食品に、更には調理済みの惣菜(レンジで簡単)や下拵えを全て済ませて調理だけ(最低限の調理)で食事ができる様に用意された商品に力を入れました。

結果として、明日販売出来ない商品も増え生産量を少なめにするか、食品の廃棄を避けて地元の教会やフードバンクなどへの寄付とする方法も取られました。

それも素晴らしい事ではありますが、商品を食品として販売する他の方法として使われる様になったのがアプリによる割引販売です。

各店舗が加盟するのですが、チェーン網で加盟している場合が多く見られ、この場合割引き開始時間にお客が集まる事はありません。

カナダのチェーンは勿論、皆さんご存知のアメリカのチェーンも加盟、現在1200店舗以上となっています。
アメリカ在住の方はここで「Flashfoodアプリ」のダウンロードが出来ます。

みなさご存知のチェーンもあると思いますが、各チェーンは100店、200店とあってこれに参加していると、その地域のお客には相当の選択肢となります。

本拠地はカナダのトロントで、参加店を見ると街のスーパー全部じゃないかという位参加してました。 白い丸でショッピングカートのマークが参加店です。

ニューヨークの周辺にはまだ少ない様で、ニューヨークから1時間半程度のフィラデルフィア周辺を見ると沢山ありました。
私も実際に何度か試しに使っていますが、ニューヨーク市の周辺にはまだ1店しかありません。 

アプリはこんな風になっています。
フィラデルフィアの郊外に居たのでその付近で見たら数店舗ありましたが、「GIANT」の店に行こうと思います。
その店をクリックすると割引き商品リストが出て、20−30品目のフレッシュフードと日持ちもするスパイスや菓子もありました。

調理済みのバーベキューミートや生肉チキン、ステーキ肉、カット野菜、チーズ、冷凍ピザなどもあります。

出先なので冷凍商品は買えないけど、何か買ってみます。
冷蔵品の受け渡し方を見たいので、冷蔵商品、肉とハムなど買いました。

3商品の合計額は$12.92と非常に安い、商品定価はハムは$8以上が何と$2、スペアリブ$18、等なのでセービング額が$21.19だそう。  

どっちにしてもSMの買い物ではショッパーズカード等の割引きを使うので定価で買う事はないけどとてつもない割引きであるには違いない。

アプリにカードを登録してあるのでそこで支払いも出来ます。
支払いが終わるとレシートが届き、それと共にこの店の閉店時間(11時)とどこで受取るかといういう案内があり、この店ではカスタマーサービスで受け取って、と来ました。

賞味期限は短いと承知の上で買うので、すぐ使うか冷凍するかが必要になります。
カスタマーサービス横に冷蔵庫とストックスペースがあり、そこから商品を出して渡されます。

こういうシステムではなく、日本式のステッィカーで値引きというのも僅かにあります。

アメリカのSMでの閉店前セールにあたるものは、実際には翌朝の商品チェックで賞味期限の短い売り場在庫に対して30%セールなどを行います。

ほとんどの場合スティッカーを貼っていき、それについては日本に似ていますが、惣菜ではなく食材でそれが行われます。

これはパリから進出しているパン屋さんなのですが、「毎日閉店の30分前に残ったものは50%引きで販売する」というルールで店頭に看板が出ています。(私も時々仕事帰りに買います)

今回この記事で取り上げたのは、最新のジャイアントというSMでフラッシュフード加盟店で効率よく用意されていましたが、ニューヨークのある加盟店ではデリバリーの受取所で、混み合っていてこうはいきませんでした。
まだまだ課題はありますが、相当の業務用需要もあるとの事で確実にフードロスが行われている姿を確認出来ました。

ジャイアント・カンパニーはフィラデルフィアを中心に約200店舗で展開しており、店舗運営にも商品にも非常に戦略を感じるチェーンです。

昨年フィラデルフィアのダウンタウンに素晴らしいフラッグシップ店を開店しています。

店内の鮮魚売り場で売られていた真空パックの魚も、サステイナブルで将来を見据えて安定供給出来るものです。

$10程で売られているこの商品も、その日の夕方にはフラッシュフードに出ていました。

デリカのコーナーにはプリスライスされたハムソーセージ、チーズが並びます。

先のレシートを見ると分かりますが、私はここでスライスのハムを$2で買いました。

これはデリカのコーナーで朝から昼間のアイドルタイムにスライスしてパッキングして、夕方のピーク時には忙しくて順番を待て無い人は、このスライス済み商品を買っていきますが、スライスしているので日持ちはしません。  

これは$8、の商品で70-80%引きとなっていました。

私は頻繁にスーパー巡りをしますが、荷受けの場所に教会やフードバンクが来ていて毎日定時に売れ残りの商品を受け取っていく姿を見ます。  

そういうシステムが出来上がっているという事です。

私の視察では店舗を見る事商品を見る事は勿論、そういうシステムの姿を目の当たりにご覧いただきます。

転載元の記事

下城NYニュース、09-’22(アプリで24時間閉店前割引き

チャーリー下城

東京生まれ、1979年よりアメリカに滞在。飲食・食品小売業等に精通し、小売業、流通、外食産業を中心に日本企業の米国進出の実務や研修を請負う。収集された最新情報は企業の社内誌や飲食業界紙に寄稿連載されている。